症状はどちらも皮膚のかゆみ!湿疹と蕁麻疹(じんましん)の違いとは?

湿疹と蕁麻疹は、どちらも赤みを伴うため、よく似ている病気と言えます。しかし、原因や症状、治療においては異なる部分があるため、違いを把握しておくことが大切です。ここでは、湿疹と蕁麻疹の症状や原因、治療法の違いについて解説します。

違い発疹の原因

湿疹と蕁麻疹の原因には、それぞれ外的因子と内的因子があります。共通している原因もありますが、異なる原因も多いため、予防のためにも把握しておくことが大切です。

湿疹の原因

湿疹の症状は様々ですが、かゆみと赤みを伴うブツブツが身体の一部分に現れ、数日~1週間以上続くことが多いです。原因となる物質は様々ですが、外的因子としては刺激性の物質やアレルゲン、内的因子としては皮膚のバリア機能の低下を招く遺伝子や免疫関連遺伝子などアトピー素因が挙げられます。

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蕁麻疹の原因

蕁麻疹と言えば、食物アレルギーによって起こることが知られていますが、細菌やウイルスなどに感染した場合にも起こる可能性があります。また、アレルゲンである小麦やエビなどの食品を摂取した後に運動をすることで、全身に蕁麻疹が発生することもあります。

なお、蕁麻疹の原因は非常に多く、皮膚の摩擦や圧迫した部位に発生する物理性蕁麻疹、温度が関与している温熱蕁麻疹・寒冷蕁麻疹、精神的なストレスや緊張、運動、入浴などによって出る汗が原因のコリン性蕁麻疹などがあります。

皮膚の下の血管の周囲には、肥満細胞という細胞があります。肥満細胞は、アレルゲンや皮膚の刺激など蕁麻疹の原因となる刺激を受けると、ヒスタミンなどが放出されます。ヒスタミンには、血管を拡張させて液体成分を血管外へと漏出させることで、皮膚を盛り上げて蕁麻疹を作る作用があります。さらに、神経を刺激することでかゆみを引き起こします。

ヒスタミンは永久的に出続ける訳ではなく、ヒスタミンの血管への作用が終わると、蕁麻疹も消失します。

湿疹の症状と蕁麻疹の症状

湿疹と蕁麻疹は、ある程度見た目で判断できます。湿疹と蕁麻疹を同じようなものと考えていると、対処を誤る恐れがあるので、どのような違いがあるのか確認しておきましょう。

湿疹の症状

湿疹の症状は、急性病変と慢性病変に分類されます。急性病変は、赤みや水疱、丘疹などで、かゆみを伴うことが多いです。また、膿を持つこともあります。慢性病変は、乾燥や皮膚が厚ぼったくなる、手荒れなどが主な症状です。時間の経過によって、ジュクジュクとしたただれが起こり、かさぶたが張ります。

乾燥やかゆみによって皮膚を掻き壊したり摩擦したりすると、皮膚が厚く硬くなる場合があります。この状態になると治療に時間がかかるため、そうなる前に受診することをおすすめします。

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蕁麻疹の症状

突然、皮膚が盛り上がり、強いかゆみと赤みを伴います。蚊に刺されたような症状で、放置しても数時間程度で消失することが多いです。しかし、掻くと範囲が広がったり、他の箇所にも現れたりするため、かゆみに対処することが大切です。また、蕁麻疹ができたり消えたりを繰り返し、1日続くこともあります。

1ヶ月以内に症状が改善するものを急性蕁麻疹、1ヶ月以上症状が続くものを慢性蕁麻疹といいます。子供の蕁麻疹の場合は、数十分~数時間以内と大人の蕁麻疹よりも早く消失することが多いです。

検査による診断法の違い

湿疹と蕁麻疹はどちらも発疹ですが、検査の方法が異なります。また、疑われる原因によっては、複数の検査が必要です。どのような検査を行うのか確認しておきましょう。

湿疹の検査

接触性皮膚炎による湿疹の場合には、どのような物質によって引き起こされたのかを調べるためにパッチテストを行います。パッチテストは、原因と考えられる物質を腕や背中に貼りつけて2日間放置し、剥がしてから1時間後と翌日の皮膚の状態を確認する検査です。陽性の場合は皮膚が赤みが出ます。なお、原因となる物質は複数の可能性もあるので、複数回のパッチテストを行うこともあります。

アトピー性皮膚炎によって起こる湿疹と考えられる場合には、IgE抗体検査を行います。これは、アレルギー反応が出たときに増加するIgE抗体を血液検査で調べるもので、原因物質を推測できます。ただし、IgE抗体が陽性であったとしても、それが湿疹の原因とは限らないため、慎重な経過観察が必要です。

蕁麻疹の検査

蕁麻疹は、アレルギーによるものと物理的な刺激によるものがあり、疑われる原因に応じていくつかの検査を行うことになります。温度や紫外線、汗などによる蕁麻疹を疑う場合には、温熱・寒冷負荷検査や寒冷負荷検査、光過敏症検査、運動負荷試験などを行います。

温熱・寒冷負荷試験は、約43℃の温水あるいは氷を含む冷水を入れたビニール状のものを皮膚に10分間接触させ、皮膚の状態の変化を確認します。光過敏症検査では、紫外線や可視光線を照射します。紫外線には、波長が長いUVAと波長が比較的短いUVBがあり、どちらも照射が必要です。

運動負荷試験では、発汗させて皮膚の状態の変化を調べます。

治療法の違い

湿疹と蕁麻疹は治療法が異なります。蕁麻疹に対して湿疹の治療を続けることで、慢性蕁麻疹になる恐れがあるため、まずは検査を受けて湿疹と蕁麻疹を鑑別する必要があります。

湿疹の治療

湿疹の治療では、炎症を鎮めることを目的としてステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を使用します。そして、皮膚のバリア機能の低下など生理学的機能異常は、保湿剤や保護剤などによるスキンケアで対処します。

かゆみに対しては、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を補助として併用し、できるだけ湿疹の悪化因子を除去する治療が基本となっています。

蕁麻疹の治療

蕁麻疹の発生に関与するヒスタミンを抑えるために、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬を使用します。慢性蕁麻疹に関しては、原因の特定が困難であることが多く、抗ヒスタミン薬を中心に薬物療法を続けることが一般的です。抗ヒスタミン薬によって眠気が起こる場合があるため、車の運転や危険な場所や物を扱う仕事をする人は注意しなければなりません。眠気が起こりにくい第二世代抗ヒスタミン薬もあるので、医師に相談しましょう。

慢性蕁麻疹に対しては、長期間に渡って薬を飲むことになりますが、それによって健康に何らかの悪影響が及ぶ心配はほとんどないとされています。まずは、仕事の状況や身の回りの環境に合わせて、自分に適した薬を見つけることが大切です。そして、症状に合わせて使用する薬の量を調整し、可能であれば少しずつ減らしていくことで、症状をコントロールでき、いずれ治療を完了できる可能性もあります。

適切な治療を受けるために、蕁麻疹が出た日時やその時の身体の状態をメモに書き留め、蕁麻疹の状態をカメラに収めて受診することをおすすめします。そうすることで、適切な検査や治療を受けられる可能性が高くなります。

共通する薬

抗ヒスタミン薬は、湿疹と蕁麻疹のどちらの治療にも使われることが多い薬です。湿疹の炎症は抑えられませんが、かゆみを抑えることで患部の掻き壊しによる悪化を防ぐのに役立ちます。また、蕁麻疹の治療においても、第一選択薬として使用されます。

第一世代抗ヒスタミン薬は、強い眠気や倦怠感などの副作用があるため、非鎮静性か軽度鎮静注の第二世代抗ヒスタミン薬が第一選択薬となります。これは、蕁麻疹の治療ガイドラインにて定められていることです。

使用されている第二世代抗ヒスタミン薬には、アレニル5mgやザイザル5mg、ジルテック10mg、アレグラ30mgなどがあります。

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