なかなか治らない湿疹!病院で治療するには?

アトピー性皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎などによって発生した湿疹は、完治させることが困難です。また、適切な治療を行わなければ、悪化や再発がしやすい慢性疾患でもあります。そのため、自分で対処しても改善しない場合には、クリニックで検査を受けて原因を突き止め、適切な治療を受ける必要があります。ここでは、湿疹の治療について解説します。

湿疹が治らない!病院・診療科と医師の選択は合っていますか

皮膚炎や湿疹は、皮膚科があるクリニックを受診して、適切な検査や治療を受けることが大切です。薬を使用しても悪化と改善を繰り返しながら長期間にわたって続くため、有名かどうかではなく、コミュニケーションが取れる医師がいるクリニックを選びましょう。

双方の考え方を理解し合い、適切な治療を受けるためにも、医師とのコミュニケーションを重視しましょう。湿疹の再発による不信感や説明不十分によるステロイドの使用の拒否などが問題となり、治療に支障をきたす場合があります。納得できない場合は複数の医師の診察を受け、自分が納得できる説明と適切な治療を施すことができる医師を見つけましょう。なお、アレルギー反応やバリア機能不全によって発疹する湿疹は完治しにくいため、患者側は日常生活に支障が出ない程度に改善・維持することが湿疹の治療目標という認識を持つことも重要です。

病院での湿疹検査

治療中にかゆみを我慢できずに掻くと、湿疹が悪化して治りが悪くなる恐れがあります。そのため、治療を行う際はまず医師に診査してもらい、湿疹の原因を突き止めましょう。
湿疹の原因やアレルゲンを知ることによって、悪化要因の除去や適切な治療を行うことができ、症状を早く鎮めて難治化を防げます。

血液検査で、TARC(ターク)値や好酸球数値、総IgE抗体値、特異IgE抗体値を測定することで、アレルギー体質の有無やアトピー性皮膚炎の重症度、原因と思われる食物アレルゲンを調べられます。

また、原因物質の特定にはパッチテストも役立ちます。原因と考えられる物質を上腕や背中に貼り、48時間後に皮膚の状態を確認します。赤みが現れている場合には、その物質が湿疹の原因となっていると考えられます。パッチテストをしている間は洗髪や入浴ができず、汗によって判定結果に支障が出ます。そのため、汗をかきにくい夏以外に受けることが大切です。

湿疹の治療

日本皮膚科学会ガイドラインでは、湿疹の炎症に対してステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を使用し、皮膚のバリア機能の低下に対しては、保湿剤・保護剤などによるスキンケアを、かゆみに対しては抗ヒスタミン薬と抗アレルギー薬を使用するものとしています。また、湿疹の悪化の要因をできるだけ取り除くことも重要です。

そして、適切な治療を施すために、重症度の評価を含めた的確な診断が必要です。治療では、湿疹の状態に応じてそのときに最適な治療を施します。治療の目標は、次の2つです。

  1. 症状が消失しているか、あっても軽度であり、日常生活に支障をきたしておらず、薬物療法もほとんど必要ない状態に改善させる。
  2. 軽微あるいは軽度の症状が続くものの、急に悪化することは稀、あるいは悪化しても長引くことはない状態に回復させる。

外用療法

外用療法では、湿疹の炎症を確実かつ速やかに鎮めるステロイド外用薬とタクロリムス軟膏を状態に合わせて適切に組み合わせて使用することが基本です。

ステロイド外用・内服薬
推奨ランクは最高のAとなっています。高い抗炎症作用と免疫抑制作用があり、症状に応じて薬の強さを選択して使用します。ステロイド内服薬は重症例にのみ適用します。生活環境に合わせて使い分けることが大切です。ステロイドの使用を拒否する患者もいるため、エビデンスに基づいた最新の情報と正しい知識を提供し、患者が納得したうえで治療を進めることが重要とされています。
タクロリムス軟膏
保険適用外の治療薬で、推奨ランクはC1となっています。ステロイドとは異なるメカニズムで免疫を抑制することで、ステロイドでは治療ができなかったアトピー性皮膚炎に対して有効とされています。しかし、皮膚のバリア機能の状態によっては吸収が悪く、高い効果を得られない場合もあります。また、妊婦や授乳中の女性、2歳未満の小児に対しては使用できません。さらに、掻き傷がある部分には塗ることができないとされています。症状がひどい場合には、ステロイド外用剤と併用すると高い効果が期待できます。
スキンケア
推奨ランクはAとされています。乾燥による皮膚のバリア機能の低下や炎症の再燃を防ぐことを目的として行います。ステロイドやタクロリムスが含まれていない保湿剤やクリームなどで保湿し、手袋をはめて刺激から皮膚を守ります。乾燥している場合は、ワセリンやジメチコン皮膚保護ローションなどの保湿剤やバリアクリームを塗ります。手袋は綿製のものを装着しましょう。ゴム手袋やビニール手袋を装着するときにも、下に綿製の手袋を装着してアレルギーを防ぐことが大切です。

内服療法

推奨ランクはBとされています。抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤でかゆみを抑えます。状態によっては、漢方薬が選択されることもあります。湿疹がある状態では、二次感染を起こす恐れがあり、そのときの状態に応じて適切な治療が必要です。
関連リンク:ステロイドだけでは治らない?かゆみ止め内用薬を併用して湿疹を治す

生活環境の整備

湿疹が起こりにくくなるように、生活環境を見直すことが大切です。どのようなところに悪化因子があるのかをよく考え、必要に応じて対処しましょう。例えば、掻き壊しを防ぐために爪を短く切ったり、毎日入浴して皮膚を清潔に保ったりすることなどが挙げられます。

皮膚科医の指示に従って湿疹をステロイド外用薬で治療しましょう

ステロイド外用薬は副作用があるため、ステロイド外用薬に対して悪い印象を持っている人は多いです。しかし、ステロイド外用薬は50年以上も使用し続けられており、作用のメカニズムや副作用について十分に解明されているため、安全な薬と言えます。

安全性と有効性が確立されていう抗炎症薬はステロイド外用薬のみで、中~長期にわたって外用した場合の安全性についても1995~2002年頃にかけて行われた実験によりほぼ確立されています。

ステロイド外用薬の強さや量を適切に使用すれば、満月様顔貌や副腎不全糖尿病など全身性の副作用が起こる心配はないとされています。局所的な副作用として、ステロイド痤瘡やステロイド潮紅、皮膚の萎縮、多毛、免疫力低下による細菌やウイルス、真菌の感染症などが挙げられますが、使用を中止するか、副作用に対して適切に処置することで改善します。

ステロイド外用薬の使用後にシミのような色素沈着ができることがありますが、これは皮膚炎の改善後に起こるものであり、ステロイド外用薬の副作用ではありません。また、皮膚が固くなったりステロイドが身体に溜まって悪影響を起こしたりすることもないとされています。

ステロイド外用薬は、診察の度に医師の診察を受けて、塗り方や塗る部位、量などについて適切なアドバイスをしてもらい、指示に従って塗ることが大切です。ステロイド外用薬について正しい知識を身につけ、むやみに怖がらずに使用しましょう。

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