湿疹にはどんな種類と症状がある?

湿疹には、急性湿疹と慢性湿疹があり、症状の現れ方や悪化の状態によって対処法が異なります。そのため、まずは湿疹の種類を把握することが重要です。間違った対処は悪化を招く恐れもあるため、断定できない場合は医師に相談することをおすすめします。ここでは、湿疹の種類と症状について解説します。

湿疹症状の推移(湿疹三角)

日本では、湿疹三角という図で湿疹の症状の流れを示されます。

 

湿疹は、皮膚の最も外側にある表皮にかゆみやヒリヒリ感を伴う浮腫性の赤みが形成され、その上に丘疹あるいは漿液性丘疹が発生します。続いて小さな水疱が現れますが、赤みと丘疹に混ざる形で形成されることもあります。慢性化すると皮膚が硬くなる苔癬化が起こります。このような症状を伴う皮膚疾患の総称が湿疹です。

急性湿疹

赤みや水疱、湿潤性紅斑、丘疹、漿液性丘疹、鱗屑、かさぶたなどを伴う急性病変のことを急性湿疹といいます。多くはかゆみを伴うため、掻かないようにすることが大切です。治療には、軟膏や内服薬を使用します。治療を行うことで、症状が速やかに改善へと向かうのが特徴です。

慢性湿疹

慢性湿疹では、乾燥や肌が厚ぼったくなる、手が荒れる、かゆみや老け、かさぶた、苔癬化、硬浸潤性紅斑などがみられます。時間が経過すると、じゅくじゅくとただれ、かさぶたが形成され、後にかさぶたが剥がれます。アレルギーや免疫機能の異常、心身の状態、ストレスの有無など様々な要因があるため、まずは検査を受けて原因を突き止めることが先決です。

湿疹の種類

湿疹の種類によって症状や原因、治療法が異なります。また、放置すると症状が悪化する湿疹もあるため、場合によっては早めの治療が必要となります。湿疹の種類と症状や治療法について確認しましょう。

アトピー性皮膚炎

発症の要因としては、アレルギー的要因と非アレルギー的要因があります。そこに、遺伝的体質や環境要因などが重なることで発症すると考えられています。代表的なアレルギー的要因としては、食物やダニ、動物の毛などによるアレルギー反応があります。非アレルギー的要因で代表的なものは、皮膚のバリア機能の低下などによって起こる敏感肌質(ドライスキン)です。

アトピー性皮膚炎による湿疹は、肘や膝などにできることが特徴で、顔には赤みが出て乾燥した状態になります。かゆみを伴うために掻き壊して悪化を招くことがあります。慢性的に何年も症状が続き、時折悪化するという経過をたどります。

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接触性皮膚炎

皮膚に触れた物による刺激やアレルギー反応によって起こる湿疹を接触性皮膚炎といいます。一般的に「かぶれ」と呼ばれており、化粧品や金属、衣類、植物など身の周りにあるものが原因となります。また、絆創膏や外用薬などが原因となることもあります。

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その他

湿疹には、他にも様々な種類があります。一般的にあまり知られていない湿疹もありますが、発症要因が身の回りにある場合は、誰にでも起こる可能性があるので確認しておきましょう。

脂漏性湿疹
脂漏性湿疹は、皮脂の分泌が活発な頭や顔、胸や背中などにできやすい湿疹です。皮脂が刺激性のある遊離脂肪酸に変化して、皮膚を刺激することで炎症を起こします。赤みを伴う斑状の皮疹が現れて湿疹が起きます。また、頭に脂漏性皮膚炎が起こると、フケの原因となり、悪化によって脱毛が促される場合もあります。治療に数年を要することもあり、完治しても再発する場合があるため、根気よく治療を続けることが大切です。
皮脂欠乏性湿疹
冬や加齢など様々な原因で皮膚の皮脂の分泌が低下し、皮膚が乾燥します。この状態では皮膚のバリア機能が低下しているため、かゆみを伴う湿疹ができやすくなります。特に、中高年の方の腰や膝から足首までの部分、腕や手にできることが多いとされています。
手湿疹
手のひらや指、手の甲にできる湿疹のことで、石鹸や温水、機械的刺激などが原因となります。なお、主婦の手にできる湿疹は、主婦湿疹といいます。手がかぶれるものであるため、接触性皮膚炎の一つと考えられ、同じく手の症状である「あかぎれ」も手湿疹の仲間です。
おむつ皮膚炎
赤ちゃんや自分でトイレに行くことができない高齢者、病人などおむつを着用している人にできる湿疹をおむつ皮膚炎といいます。おむつによる刺激や尿・便による刺激などが原因となるため、接触性皮膚炎の一つと考えられています。
自家感作性皮膚炎
原発巣となる湿疹が急激に悪化すると、他の部位に小さな湿疹が多発することがあります。この湿疹反応によって起こる湿疹を自家感作性皮膚炎といいます。接触性皮膚炎や貨幣状湿疹が原発巣となることが多く、続いて熱傷とアトピー性皮膚炎によるものが多いとされています。治療では、原発巣の湿疹および皮膚炎を改善することを目的とします。
貨幣状湿疹
円形や楕円形など貨幣状の赤みを伴う湿疹のことを貨幣状湿疹といいます。膝から足首にかけて最も発生しやすく、肘から手にかけてや、手の甲、体幹にも現れやすいです。原因には、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎、虫刺されや皮脂欠乏性湿疹、細菌によるアレルギーなどがあり、自家感作性皮膚炎を起こすこともあります。
異汗性湿疹
汗疱とも呼ばれ、手のひらや足の裏、手足の指などに小水疱ができます。一般的に「手や足のあせも」と呼ばれています。汗と皮脂のバランスが崩れることで発症すると考えられており、汗をかきやすい夏に発症する傾向があります。足にできたものは足白癬と間違えられることが多いです。
汗疹
汗を排出する汗管の周りに炎症が起こり、かゆみを伴う赤い丘疹が現れます。これは、皮膚の表面に汗を排出できなくなることが原因です。このような症状のことを汗疹や紅色汗疹といい、一般的には「あせも」と呼ばれています。高温体質や肥満、多汗症、夏など汗をかきやすい状態にあることで発症しやすくなります。化膿すると、汗疹性膿痂疹や乳児多発性感染膿瘍になる場合があります。
間擦疹
皮膚同士が擦れて摩擦が起こる部位のことを間擦部といい、頸部や腋の下、肘や膝、乳房の下、陰部や肛門の周りなどがあります。これらの部位にできる発疹のことを間擦疹といい、汗をかきやすい肥満や多汗症の人に多く、高温多湿の夏に多発します。カンジダ感染を併発することもあるとされています。
日光皮膚炎
顔や四肢など露出部位に紫外線を長時間受けることで起こります。いわゆる「日焼け」のことで、赤みや水疱などが現れます。日焼け止めクリームで紫外線に対処することが予防に有効です。
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